10月の聖書のことば
あなたがたはそれぞれ、賜物を授かっているのです。
ペトロの手紙一4:10(新約聖書433ページ)
「あなたがたはそれぞれ、賜物を授かっているのですから、神のさまざまな恵みの善い管理者として、その賜物を生かして互いに仕えなさい」。
「賜物」は「たまわるもの」。「賜る」とは目上の人から何かもらうこと、与えられることです。「授かりもの」とも言います。英語では「賜物」は「Gift」と訳され、神さまからの「さずかりもの」を意味します。
「神のさまざまな恵みの善い管理者」とありますが、神さまからのさずかりものは、一人一人に与えられたそれぞれ異なる「恵み」です。それは貴重品であるだけでなく、特別な秘められた力があるのです。聖書の原語ギリシャ語で「恵み」は「カリス」、「カリスマ」の語源です。カリスマとは個人的な特殊能力のことです。
カリスマ美容師とか、予備校のカリスマ講師とか、カリスマ主婦なんて言い方もありますね。それらは本来は神から与えられる特別な「賜物」のことなのです。
カリスマの「カリス」はまた、英語のチャーミング(魅力)、チャリティー(慈善・慈悲)などの語源です。妙な超能力ではなく、魅力にあふれた個性であり、自分のためではなく、他者のために用いられる能力と言えます。
「あなたがたはそれぞれ、賜物を授かっている」。子どもたちにはもちろん、親である皆さんにも、それぞれ多彩な神から賜った能力があると思います。自分ではこれが賜物だとは思っていないようなものもきっとあるし、それを発見することが人生の大事な課題なのです。
それぞれの「賜物」を神さまからの「恵み」として授かっている私たちに、聖書は「神のさまざまな恵みの善い管理者として、その賜物を生かして互いに仕えなさい」と勧めます。
「仕える」という言葉は、聖書では特に食卓の給仕をすることを指します。食事を用意し、それを人に食べてもらうことによって、ひとを生かし養う仕事です。単なるサービスではなく、もっと魅力あるチャーミングな奉仕であり、愛とチャリティー精神に満ちたものでありたいと思います。
「神のさまざまな恵みの善い管理者」とあるように、それぞれ神さまから与えられている恵みを良く生かし用いて、神の賜物の魅力を発揮し、周囲の人々と良いものを分かち合っていきたいものです。
園長 大村 栄


